環境部門賞をありがとう〜平成12年度ニュービジネス大賞

1.はじめに

 ニュービジネス大賞(財団法人ニュービジネス協議会)は新規分野の事業を立上げた事例を対象としています。環境部門賞は 1日で炭焼をする炭焼十字軍、電熱利用による安全な蒸留十字軍、針葉樹からきのこ菌床を作るきのこ十字軍、 木材から抗がん剤などを生産する無水糖十字軍などの環境装置開発と「e炭市場」が評価されました。

2.ソフト販売から異業種交流へ

 弊社は積算ソフト(瓦小町・サイディング小町)などパッケージ主体で開発して参りました。ソフト開発はできましたが販売と いう大きな壁があります。当初は狙い撃ちで点を、しかし、効率が悪くより良い方法を探しました。点から面展開するには展示 会出展が良いと選択したのが平成7年です。翌年から中小企業ビジネスメッセなど50ケ所の展示会に出展しまし た。各地に代理店もでき、異業種交流「小町ネット」の結成です。

3.炭焼十字軍の誕生

 平成8年6月、新製品開発の話となり「環境・リサイクル・雇用機会」を合い言葉に誕生したのが炭焼十字軍で す。全国の展示会で最新の情報を入手し、時の流れをつかむ努力をしました。思えば、織田信長は楽市・楽座で人材と時の流れ を、豊臣秀吉は矢作橋の上で針売りをしながら時代の先を読みました。私事ですが、渓流釣で日本の山河を歩き、山と川の荒廃 と山間地での雇用を真剣に受け止めていました。エネルギー革命の中で陳腐化した炭化技術の復活を決意したのです。1週間の炭 焼を1日で出来たら夢の実現です。クリーンエネルギー(LPG)、1日製造、高収率、簡単操作を実現したのが炭焼十字軍です。 平成10年度には財団表彰(優秀製品賞)を戴きました。

4.環境装置開発へ

 その後も年間80ケ所の展示会に出展する中で炭の有効利用 から地下水十字軍を、炭・木酢液の堆肥への利用から堆肥化十字軍を開発しました。産学連携では島根大学との針葉樹きのこ菌床 システムを、北海道工業技術研究所との抗がん剤・抗エイズ剤・抗マラリア剤原料製造システム無水糖十字軍を開発しました。

5.インフラの整備

 環境装置の開発の中から木材のリサイクルを炭化・堆肥化・きのこ・薬品原料と提案してきました。提案力は評価するが製品の流 通ができないのなら「社名から企画をはずせ」という声を戴き反省しきりの日々を送りました。炭は軽くて嵩張りますので生産地 と需要地が近いほど優位です。こうした背景から、ソフト技術と環境技術を融合したリサイクルのインフラ「炭市場がドット混む」 <(http://www.sumisijo.com)が誕生しました。売りたい人も、買いたい人も炭市場に参加することで解決の糸口を見出す ことができるでしょう。

6.時の流れ

 昨年6月農林省は新JAS法有機栽培基準で炭・木酢液を認 定し、本年4月の施行となりました。炭市場、有機栽培基準認定と時代は健康指向となってきました。このような 時の流れを装置開発、流通開発、商品開発から栽培技術へと展開します。本年から新潟県魚沼地方と広島県三原地方で竹炭・竹酢液 による「竹酢米」の栽培に挑戦し、予約受付を開始しました。

この度の環境賞は多くの皆様に代わり受けたものと肝に銘じながら今後も努力を重ねてまいります。ご支援有難うございました。
(財)中小企業異業種交流財団〜異業種交流ニュース〜平成13年3月21日号より