研究開発等事業計画に係る認定申請書


                                                            平成10年3月13日
愛知県知事  殿
                                                   稲沢市七ツ寺町地蔵前70番地の4
                                                   株 式 会 社   昭  和  企  画
                                                   代 表 取 締 役  榎  本  和  男

                                                   資本金の額  2500万円
                                                   従業員数  5人

 中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第4条第1項の規定に基づき、下
記の計画について認定を受けたいので申請します。

記

1.	研究開発等事業の目標
別紙のとおり
2.	研究開発等事業の内容及び実施時期
    別表  1  のとおり
3.	研究開発等事業に伴う設備投資の内容
別表  2  のとおり
4.	研究開発等事業を実施するために必要な資金及びその調達方法
別表  3  のとおり
5.	組合等が研究開発等事業に係る試験研究の為の費用に充てるためその構成員に対し
て負担金を付加しようとする場合にあってはその賦課基準
別表  4  のとおり
6.	その他

                                                                                 

上記申請については、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第4条第3項
の規定に基づき認定します。


第      −         号
平成    年    月    日

                                         愛知県知事  鈴 木 礼 治





研究開発事業の目標
事業名    サイディング積算ソフトの開発
(1)	事業概要
現在、持ち家住宅の屋根・外壁・防水・内装等の関連業界では、工務店の求めに応
じて作成する施工図・原価計算書・見積書など広義の「積算」は、依然として人手
に頼る非効率な作業が多く、各業界とも多大な労力とコストと時間を費やしている。
一方、ハウスメーカーにおいてもほぼ同様であり、或いは、発注数量が少なかった
りするために積算を強いられている現状である。
  例えば、サイディング工事の場合、見積時点では面積及び役物の積算をし、見積
書を作成します。この作業にとられる時間は約1時間30分です。見積提出により
受注する物件は30%〜40%です。受注すると材料積算をします。最低9種類の
本体・土台水切等役物と副資材として防水シート・胴縁等5種類の積算を行い、工
事指示図・原価計算書・見積書・材料明細書・材料注文書・工事注文書の作成です。
時間的には2時間です。
 しかも、個々の積算業務をマスターするには長年の経験を必要とするため、住宅
関連業界をトータルに理解し、積算を行える技術者はほとんど皆無であります。こ
うしたことが、結果として住宅産業全体の高コスト体質をもたらし、旧態依然とし
た体質を阻む要因となっています。
 一方、既に約10年前から、人手に比べ簡単な操作で高速積算が可能な積算ソフ
トが販売されているが、面積のみであり、高額(約250万円)あることに加え、当
業界の情報化の遅れによる戸惑いも手伝って、導入率は全国で5%に満たないのが
現状です。又、業界団体や関係官庁においてもさまざまな努力が為されているが、
業界の情報化には程遠い状況であります。
 そこで当社では、自社開発した独自の積算ソフトをベースに、新たな考えに基づ
いた積算ソフトを開発します。
(2)新規性等
@入力法の改善  デジタイザーを採用したことにより、図面からの転写を簡素化した。
  特に、従来のマウスでは階毎・面毎の入力だったが、面単位入力が可能となった。
  作業量が平均的な住宅(10角形)で1/5となった。
Aデータベース化  材料が材質・形状・厚み・色の4次元構造のマスター及び積算結
  果データをデータベース化し、操作性の改善を行う。
B検索機能の強化  見積提出した物件に対する尾行調査・受注率・利益率等の検索機
  能を強化する。この機能により工事台帳がより良くなる。
C積算時点の改善  材料を決めて、面積等の1次結果と材料枚数等の2次結果を同時
  積算をしていたが、材料点数が5万点のため選定が不便だった。積算見本で大きさ
  を選択後に積算をして1次結果を、材料が必要な時点で2次結果の再積算を行う。
D地球に優しさを  材料割付を自動化することにより使用材料を最小限にする最適化
  システム。起点を自由設定にすることにより特殊ケースに対応し、使用枚数を最小
  限にできます。
Eゼロエミッション  端材の四角形・台形を左右判定し、くずかごファイルに寸法単
  位に保管し活用する端材活用システムで廃棄物を減少します。  
F流通の改善  販売会社の設立と育成を行う。従来は代理店依存で需要の顕在化した
  時点からの業務であり、需要開拓は行わなかった。
G商社代理店  板金系商社は全国に300社あるので代理店にするようにします。代理 
  店の自社導入を強力に展開します。特に、屋根・サイディング・雨樋・サッシの同時積算を
  希望しているので可能性があります。現在の状況は盛光(東京)・一角(千葉)・植松(沼
  図)・島屋(広島)・鳥屋銅鉄店(高崎)・タニタハウジングウェア(東京)・精田建鉄(高岡)
  です。
H拡張性  デジタイザーで入力したデータを加工することにより、あらゆる分野の設計作業
に展開が可能である。サッシ・材木出し明細・鉄骨拾い出し・内装下地・内装・床
下地・基礎等。


新規開発ソフト
弊社従来ソフト
入力方式
デジタイザー・マウス
マウス
積算方式
1次結果と2次結果に分けて行う
図面入力後瞬時に行う
1次結果
各部位の長さ・ケ所数・延べm
同時積算
2次結果
材料積算
同時積算
積算時間
20分
60分
寸法入力
自動(採寸不要)
寸法を測り入力
位置指定
自動(不要)
位置指定を行う
窓入力
自動
窓入力(20ケ所)をマウスで行う
窓位置指定
自動
採寸後起点から指定
材料の積算時点
積算用寸法見本で数量を積算後に出力時に材料指定で再積算する
材料を決めて1度で積算する
マスター
データベース仕様
マスター(5万点)選択に時間がかかる
自動化率
90%
70%
操作時の判断
10%
30%
OS
Windows98
Windows95
積算範囲
サイディング・屋根・雨樋・サッシ
サイディング
習熟期間
1日
10日
積算精度
95%
95%
汎用性
設備・内装などに可能性がある
限界がある
弊社ソフトと他社ソフトとの比較
弊社
他社
OS
Windows98
MS-DOS、表計算
開発言語
ビジュアルC++、ビジュアルBASIC
MS-DOS BASIC
操作法
デジタイザー・マウス
カーソルキー・テンキー
作図法
自由作図方式
定形方式
自動化率
95%
40%
関連ソフト
屋根
なし

(3)市場性等
●潜在的需要
 サイディング業界は新しく、板金・瓦・ガラス・木質系商社・金属系商社・大工か
らの参入がある。それぞれ仕入先との関係で進出し、1件当たりの工事額(100〜300
万円)が多いので専業化していった。板金業は全国組織の全国板金組合連合会加盟社
13000社、瓦業は全国瓦工事業連盟加盟社5000社、全国粘土瓦組合等メーカー加盟社
約700社、ガラス業は約300社、木質系商社500社、金属系商社300社及び大工から
の転向者約300社で合計約2万社である。
●販売予測
 潜在需要約2万社に対して、住宅着工件数の減少による転廃業が20%程度と考え
られ、その10%の160社を5年間で販売することを目標とする。(3億6千万円)
●販売流通
弊社商品専門に販売する販売会社の設立を昨年10月に(株)昭和企画神戸から開始し
た。予定では営業所・販売会社・代理店の流通で行う。