炭焼産業の復活 ―たかが炭焼 されど炭焼―
炭焼は3000年とも5000年とも言われる程の歴史があります。これは燃料としての利用のことでですが、新用途として見直されているのは人類・生物の共有財産である水・空気・土の浄化材としての利用があります。水の浄化は下水処理場・浄水器・精密ろ過として、空気の浄化はガス吸着・空気清浄器・床下調湿炭として、土の浄化は土壌のバクテリアの餌であり、住まいでもありますので土壌が活性化します。このように環境の中心である水・空気・土を取り戻すことが急務となっています。例えば、松山城のお堀の浄化には木炭が使用されていますし、ガスマスクには椰子がら活性炭が、米作では200〜300kg/反の木炭が、蘭の苗床にも竹炭・園芸用鉢には害虫忌避材として使用されています。
炭焼装置 ―自然燃焼と強制燃焼― 炭焼装置は自然燃焼方式と強制燃焼方式があります。前者は炭になる材料を燃やしますので多くの時間(約2週間)を費やします。自らが燃えるために灰の量が多いことと火付きが悪いのが難点です。一方、強制燃焼方式はLPガス・ブタンガス・重油・灯油を燃料とします。長所は安定した炭・木酢液を製造できることと操作が簡単なことです。「1日で良質な木炭ができたら」というのが夢でした。これらの願いを実現したのが「炭焼十字軍」です。
自然燃焼と強制燃焼
| 自然燃焼 | 強制燃焼(炭焼十字軍) |
操作 | 難しい | 簡単 |
火付き | 悪い | 良い |
火力 | 炭材 | LPガス |
歩留まり | 50% | 90% |
灰の量 | 50% | 10% |
燃料費 | なし | 1000円(ST1215) |
炭化期間 | 3〜15日 | 1日 |
炭材
植物であれば伐採木・伐根・剪定枝・残根・残茎・パレット屑・おがこ・もみがら・芝生・海草等すべてが可能です。
木炭 −竹炭・その他−
植物系材料を炭材とすると炭化生成物として炭・木酢液・エキスができます。炭は材料・含水率・燃焼過程の温度変化・燃焼温度等の諸条件により影響を受け、性質も異なります。用途は燃料用・土壌改良用・水質浄化用・調湿用・製薬原料等があります。
竹は戦争中に航空機用燃料油として山口県の竹を皆伐したという位油分が多いです。竹炭は温度により性質が異なりますので、目的により温度条件を整える必要があります。多孔質を生かした製品の開発の為、昭和40年代にやしがら活性炭との戦いをした経緯が国立国会図書館にありました。炭の収量は炭材の20%kgが目安です。
副産物 −木酢液・竹酢液・樹木エキス・瀝水−
炭材を熱すると温度変化により熱分解がおきます。最初に出るのが樹木エキスで樹木の臭いのある水蒸気です。例えば杉エキス・桧エキスです。木酢液はこげた匂いのするものでペーハー3〜4です。民間療法としてアトピー・水虫・糖尿病に効能があるとのことです。炭は腸の薬として日本薬局方に記載されていますが木酢液はありません。木酢液は土壌の影響がどのようにでるか実証されていません。昭和39年に対米輸出の為に科学技術庁の研究がなされた事実があります。瀝水とは炭を水にしたすことによりできるアルカリ性のもの、主成分はカリのようです。用途は農業用ですね。木酢液の収量は炭材の約20%gが目安です。
連続装置 −24時間稼動ですか、8時間稼動ですか−
処理量の関係で連続式を検討されるケースがあります。連続式と処理量の関係は実はありません。処理量が多い場合は、連続窯式と単独窯複数設置方式とがあります。
- 連続窯式
- 連続窯式は処理量が多いという錯覚で、前処理と高負担を見落とし勝ちです。前処理は破砕機或いはチッパーで形状を一定にすることが必要です。方式としては、セメント業界で使用している回転ドラムのロータリーキルン、円筒形の中をスクリューが回転するスクリュー式、縦型の円筒形のシャフトキルンがあります。現在販売されているものは、ロータリーキルンで処理量1立方b/24時間のもので3000万円です。
連続装置は24時間運転となりますので宿直室が必要です。
- 単独式複数設置式
- 単独窯式は連続式に比べ約3分の1の費用です。材料投入は便利なフォークリフト対応・トロッコ対応等をオプションで用意しています。
| 連 続 式 | 炭焼十字軍 |
1立方処理 | 3000万円 | 450万円〜 (本体価格) |
前処理 | チップ化 | 一定寸法(1200ミリ) |
前処理装置 | 100万円〜1000万円 | 3万円(チェンソウ) |
後処理 | なし | 炭の粉炭化 |
後処理装置 | なし | |
時間 | 24時間 | 16時間〜24時間 |
燃焼法式 | 自然燃焼 | 強制加熱 |
燃料 | 自燃 | LPガス |
施設
炭化装置のほかに、材料置き場・木炭置場・2次加工室・梱包用機器・製品置場・木酢液用タンク・木酢液精製装置・木酢液加工用機器・製品置場と人員の確保が必要となります。木酢液はペーハー3〜4となりますので全てがステンレス製又はプラスチックとなります。
予算により企画・設計致しますのでご相談ください。連続装置は概算で5千万円〜2億円程度となります。
チップ化について −剪定枝・伐採木・伐根−
木材は様々な形をしていますので、チップ化することにより処理量を増大することができます。
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